苦労した分、成長できる。学ぶ大切さを実感しています。

いとう まい子 さん
いとう まい子 さん
女優・タレント/健康福祉科学科 2014年卒業
愛知県出身。1982年『ミスマガジン』コンテストの初代グランプリを受賞、その後、ドラマ、映画、テレビ番組など多方面で活躍。女優業のかたわら、2010年4月から2014年3月までeスクールの健康福祉科学科で学ぶ。2016年3月に同大学院人間科学研究科修士課程修了。2016年4月より博士後期課程へ進学し、生命医科学の領域から研究を続ける。

eスクールの学びで身に付いた苦労した分、成長できる。社会人としての素養

スクールに入学した動機をお聞かせください。

芸能界で仕事を始めて30年ほど経った頃から、これまで支えてくださった方々に恩返しがしたいと思い始めました。けれど長い間、芸能界という特殊な世界で生きてきた私は社会人として無教養で、自分に何ができるかさえ分からなかったのです。

そこで基礎から勉強し直したいと思い、通信教育機関を調べているうちに、オンデマンドで学べるeスクールに行き当たりました。その頃、仕事でオーダーメイド医療に関するプロジェクトに関わっていたこともあって健康に興味があり、健康福祉科学科に入学を決めました。

eスクールでの学びはどのようなものでしたか?

関心のあった「予防医学」をはじめ、さまざまな講義を受講しました。他学科の講義を視聴できるのもeスクールの魅力で、「プログラミング入門」や「メディアコミュニケーション学」なども視聴しました。

でも実は、入学当初は勉強の進め方が分からず、仕事柄友達を作るのも難しくて誰にも相談できず孤独だったのです。それに45歳を過ぎてからの勉強も想像以上に大変で、授業のノートをとってもすぐに忘れてしまったり。

けれど、目の前のことを地道にこなしていくうちに勉強のコツがわかってきて、学ぶ楽しさを感じられるようになりました。そして課題に取り組むうちに「自分で調べ、考え、答えを導く」こともできるようになり、社会人としての素養を身に付けられたと思えたことが一番の収穫だったと思います。

大学で培ったスキルをレベルアップするため大学院に

大学院に進まれた理由は?また、どのような研究をされましたか?

学ぶための土台はできたものの、まだ皆さんに恩返しができるほどの力はないと感じていました。また、ロボット工学のゼミで「ロコモティブシンドロームの予防に役立つロボット」について研究していたので、さらに深めたいと思い修士課程に進みました。整形外科学会では、ロコモティブシンドロームを予防するためトレーニングの必要性を提唱しています。

そこで、毎日3回高齢者にトレーニングを呼びかけるロボットを発案して、企業とのコラボレーションで実際に製作し、被験者に試用してもらった結果を論文にまとめました。通学が必要な大学院については、会社を辞める人がいるほど大変だとも聞いていましたが、まさにその通り! 地方で生放送のあと新幹線に飛び乗って、遅刻ギリギリで教室に駆け込んだこともありました。

また、授業は毎回プレゼンのようで自主的に発信することが求められます。その準備も大変でしたが、大学で身に付けたスキルが強固なものになっていく実感もあり、どんなに寝不足でも授業が楽しみでした。

※ロコモティブシンドローム:加齢などで運動機能が低下し、要介護状態になるかまたはそのリスクが高くなること。

苦労を乗り越えたあと、そこから見える景色は格別!

今後の抱負をお聞かせください。

ロボット研究を掘り下げるため、博士課程に進みたいと思っています。被験者個人の感想から、もう少し踏み込み、生命医学的な視点から検証して精度を上げ、いつか製品化できたら社会に恩返しをするという目標に近づけるかもしれません。

また、仕事を通して多くの方にロコモティブシンドロームや予防の必要性をお伝えする、メッセンジャーのような役割を担うことができたらいいですね。

eスクール入学を考えている方々にメッセージをお願いします。

eスクールでは、それまで知らなかった学問領域まで幅広く学べ、学習システムも大変整っています。学ぶ環境は最高なので、勉強したいと少しでも思っている方なら挑戦することをおすすめします。

けれど決して楽ではありません。歳を重ねてからの勉強は辛いし、仕事との両立も苦労の連続。それなりの覚悟は絶対に必要ですが、すべて乗り越えてたどり着いた頂上で見る景色は格別です。

私はハードルが高いほどやる気が出るほうなので、最短期間で卒業することを自分に課しましたが、学び方は人それぞれです。自分のペースで楽しみながら、ときに苦労しながら、皆さんもぜひ絶景を味わってください。